Googleスプレッドシートを活用して複数人で編集作業する業務も多いのではないでしょうか。
スプレッドシートは便利であるものの、データの修正や追加などメンテナンス作業に時間を取られることも少なくありません。
実はこのRPAのメンテナンス工数削減にRPAの活用が有効です。
当記事ではGoogleスプレッドシートの業務効率化にRPAが有効である理由、業務効率化する具体例、RPAにより業務効率化する際のポイントまでご紹介します。
RPAでスプレッドシートを自動化できる?
Googleスプレッドシートでの業務の効率化にはRPAの活用が適しています。
RPAが得意とする自動化領域は以下の通りです。
得意とする自動化領域①:定型業務
RPAは定型、かつ、複雑でない業務の自動化を得意としています。
この点、スプレッドシートでの業務は一定のフォーマットに数値を更新していく作業ですので、定型業務といえるでしょう。
また、スプレッドシート上の各データ項目に対する更新方法も規則性がある場合が多いため、自動化がしやすいといえるのです。
得意とする自動化領域②:大量データ処理業務
RPAはロボットが24時間365日稼働して業務を行いますので、昼夜問わず業務を遂行できます。
また、定型業務であればミスなく業務遂行できるので、転記ミスなどヒューマンエラーを削減できる点も魅力です。
したがって、RPAを活用することで人間が実施していてはミスや稼働時間が懸念となる大量データを処理する業務の自動化に適しているといえるでしょう。
得意とする自動化領域③:少量多品種な業務
Googleスプレッドシート業務を効率化するためだけのパッケージシステムは少ないのが実情です。
もし、スクラッチで専用システムを開発するとしても費用対効果が合わない結果になるでしょう。
この点、RPAを導入さえすれば自社内のあらゆる業務の自動化に活用できますので、Googleスプレッドシートを活用した業務など、少量多品種で費用対効果が合いづらい作業の効率化にも取り組める点が利点です。
自動化できるスプレッドシート業務の導入例とは?
RPAを用いたGoogleスプレッドシート業務の自動化例をいくつか紹介します。
導入例は以下の通りです。
- 導入例①:Google Analyticsとの連携
- 導入例②:売上実績管理表などの更新
- 導入例③:スプレッドシートの内容を別チャットツールに送信
- 導入例④:Excel情報をスプレッドシート上に集約
導入例①:Google Analyticsとの連携
Googleスプレッドシート上で重要指標データを共有管理している場合があります。
この時、Google Analyticsからコンバージョン数やPV数を取得するため、都度ログインし、スプレッドシート上に転記する業務をしている企業も多いようです。
手動で転記するため負荷が高いうえに転記ミスも懸念される方法ですが、RPAを活用すれば転記業務を自動化することができるでしょう。
ミスなく、定期的に重要指標をスプレッドシート上に更新できるため、リアルタイムな数値に近いデータを基に意思決定ができる点がメリットです。
導入例②:売上実績管理表などの更新
売上実績管理表など、複数人で共同編集する管理表は入力項目数や共同編集人数が増えるとミスが起きやすいです。
この点、他CRMなどから必要なデータをスプレッドシート上に自動反映させることもできますので、ミスを減らしつつ最新の売上実績状況を把握することができるでしょう。
導入例③:スプレッドシートの内容を別チャットツールに送信
重要指標データをスプレッドシート上で管理するものの、スプレッドシートの編集・閲覧権限はマネージャークラス以上に制限する場合が多いです。
したがって、現場社員に重要指標を共有するためには、メールやチャットツールへの転記が必要になります。
この点、RPAを活用することでスプレッドシート上の重要指標を自動でチャットツール上に転記し、周知することができるでしょう。
導入例④:Excel情報をスプレッドシート上に集約
各現場担当者、チームがまとめた受注数などのエクセルシート上の情報をスプレッドシートに転記し、売り上げランキングを作成する場合があるようです。
手動でエクセル転記の上、ランキング作成をしていては工数がかかります。
この点、RPAツールを活用することで、エクセルシート上の情報をスプレッドシート上に自動で転記、集約することが可能です。
ミスなく、素早くランキングを作成する方法を取ることで、工数削減はもちろん、現場のモチベーションを常に刺激し続けることができるでしょう。
連携をするときのポイント
Googleスプレッドシート業務をRPAにより自動化する際、ポイントがいくつかあります。
ポイントは以下の通りです。
- ポイント①:関数・マクロを利用する
- ポイント②:ショートカットを利用する
- ポイント③:スモールスタートをする
ポイント①:関数・マクロを利用する
RPAによる作業は可能な限りシンプルにすることで、エラーの発生頻度を落としスピードをあげることが可能です。
Googleスプレッドシート上で集計やデータクレンジングなどをRPAにより実現することもできますが、スプレッドシート上の関数を利用することで、RPAの作業をシンプルにできますので関数の利用をおすすめしています。
また、Googleスプレッドシート上にはマクロの利用もおすすめです。
マクロ、RPAのどちらで業務の自動化をすべきかは場合によりますが、マクロを利用したうえでRPAにより効率化を行う例もありますので、関数に加えて、マクロとRPAの併用も視野に入れたうえで対応方法を検討ください。
ポイント②:ショートカットを利用する
RPAの作業は可能な限りシンプルであることが望ましいです。
スプレッドシート上ではショートカットキーの利用が可能であるので、ショートカットキーを活用して操作手順を圧縮できるのであれば、ぜひご活用ください。
操作手順を短くすることで、RPAの処理時間を短くする効果を見込めるでしょう。
RPAのシナリオが複雑になってしまう場合には、多少手順が増えたとしてもショートカットキーが活用できる方法を選択するのも選択肢です。
ポイント③:スモールスタートをする
Googleスプレッドシート業務の自動化とはいえ、すべての業務に対してRPAを活用し始めるのではなく、一部業務からスモールスタートすることをおすすめしています。
まずは一部業務の自動化を進め、RPAによる自動化に必要な設定や準備を理解すると、他業務の自動化も効率化できるでしょう。
スモールスタートであれば、トラブルが発生してもリカバリーが効きやすい点もメリットです。
RPAを選ぶポイントとは?
RPAツールを導入することでGoogleスプレッドシートでの業務は自動化可能です。
ただし、RPAツールはスプレッドシートを活用した業務以外にも効率化が可能ですので、効率化する対象を踏まえたうえで適切なRPAツールを選択しましょう。
RPAツールを選択する際にまずみていただきたいポイントは以下の通りです。
- ポイント①:自社に適した提供形態を選ぶ
- ポイント②:サポートの手厚さも確認する
ポイント①:自社に適した提供形態を選ぶ
RPAツールには提供形態によって以下の3パターンがあります。
各提供タイプによって実現可能な範囲やコスト感が変わりますので、把握しておきましょう。
- クラウド型
- デスクトップ型
- サーバー型
クラウド型はブラウザ上で操作するRPAツールです。
RPAツールベンダーが提供するサーバー上で稼働するため、自前でサーバーの準備やバージョンアップなどのメンテナンスは不要な点にメリットがあります。
一方で、自動化可能な範囲は他デスクトップ型やサーバー型と比較して限定される点に注意が必要です。
デスクトップ型はPCにソフトウェアをインストールして利用するRPAツールです。
サーバーの準備が不要で、パソコン一台あればRPAの活用が開始できます。
クラウド型よりも自動化できる範囲は広いですので、スモールスタートに適した提供タイプともいえるでしょう。
サーバー型は自社で準備をしたサーバー上にソフトウェアをインストールし稼働するRPAツールです。
自社でサーバーを準備し、維持していく必要があるため、コストが高くなる点に留意ください。
ただし、サーバー型であれば、複数のPCをまとめて制御するなどパフォーマンス面で優れるうえ、自社内のほかシステムも自動化対象に含めることができるなど、拡張性に優れる点にメリットがあります。
ポイント②:サポートの手厚さも確認する
RPAツールを活用する場合、完全に画面操作のみで自動化をできる場合もあれば、要件によってコーディングが必要になる場合もあります。
対応する自動化の難易度に合わせて、適切なサポートが受けられるRPAツールを選ぶようにしましょう。
例えば、RPAツールの導入に全く自信がない場合であれば、伴走支援サービスを提供する事業者を選ぶとよいです。
自社で設定はできる見込みであるが、一部技術的なサポートをしてほしい場合はサポートデスクが充実している事業者を選んでください。
サポートの手厚さにより、RPAツール導入後、自動化が軌道にのるか大きく変わりますので、必ず確認するようにしましょう。
まとめ スプレッドシート業務はRPAで効率化しよう
Googleスプレッドシートを活用した業務はRPAツールを導入することで自動化できます。
Googleスプレッドシート上にデータを連携することはもちろん、スプレッドシート上から他システムやエクセル上にデータ連携することもできますので、実業務に合わせて自動化範囲をご検討ください。
スプレッドシートを活用した業務はRPAツールを導入して効率化していきましょう!