近年は、働き方改革などにより多くの企業が従業員の勤務時間の削減を目標にしています。
しかし、業務量を単純に減らすことは会社としての損失になりかねません。
そこで、多くの企業に注目されているのがRPAやワークフローシステムなどの業務自動化ツールです。
しかし、RPAとワークフローシステムの違いについてわかりやすく説明できますか?これらの違いについては多くの方が説明に詰まるというのが現状です。
以下から、RPAとワークフローシステムについて、またそれらの違いについて見ていくことで、RPAとワークフローシステムについて理解し、自社に必要なツールはどちらなのかを判断しましょう。
RPAとは?
PRA (Robotic Process Automation) とは、今まで人間が行っていた定型業務などを人間の代わりに行ってくれる業務自動化ツールです。
具体的には、日々の雑務や事務作業、ルーティン化された発注作業・納品業務などを行ってくれます。
近年、日本でも多くの企業が日々の業務のサポート役としてRPAを導入しており、市場に出回るRPAツールも増加傾向にあります。
また、IT知識などに疎くても簡単に利用できるようなツールが増えているため、導入後が心配だという方も安心して利用することが出来るでしょう。
RPAのメリット
メリット①:コスト削減
RPA導入のメリット1つ目には、コスト削減が挙げられます。
RPAによって、ルーティン化された業務や事務作業などを任せることが出来るため、その分の人件費を削減することが可能になり、コストの削減に期待が出来ます。
実際に、ある生命保険会社では顧客情報の収集業務をRPAに代替させることで派遣社員にかかっていたコストの5/6をカットすることが出来ました。
メリット②:ミス軽減
ミス軽減もRPAによるメリットの1つでしょう。
データ入力や情報のまとめなど人力で行う場合は、どれほど気を付けてもミスは起こります。
しかし、RPAではロボットの設定さえミスなく行うことが出来れば、作業の中でミスが起こることはありません。
メリット③:24時間稼働
RPAは24時間稼働することが出来るという点も、メリットとして挙げられます。
社員が退社した後や、出社する前などにもRPAによってデータの取得やあらかじめ設定した請求書の提出、メールの送信などを行うことが出来ます。
そのため、RPAを導入することによって仕事の進みが格段に速くなるでしょう。
RPAのデメリット
デメリット①:初期コストがかかる
初期コストがかかるという点が、RPAのデメリットとして挙げられます。
長期的視点で見るとRPAの導入はコストの削減という大きなメリットがありますが、短期的に見るとRPA導入に伴い、初期コストがかかります。
初期コストが負担になるという方は、気を付ける必要があるでしょう。
デメリット②:管理状況によっては、混乱が生じる
管理状況によっては、RPAの導入によって混乱が生じるというデメリットがあります。
RPAロボットは決められたルールに基づいて作業をするため、常に管理し都度修正を行う必要があります。
しかし、RPAの管理者が決まっていないといった状況になると、RPAが誤作動を起こした際や修正が必要な場合に担うことが出来る担当者がいないため、現場に混乱が生じ業務がストップするなどのリスクをはらんでいます。
そのため、RPAの導入前に担当者を決めるなど、RPAの受け入れ準備を進めておく必要があるでしょう。
ワークフローシステムとは?
ワークフローシステムとは、企業内で発生する申請・承認・決済・確認といった業務の流れを電子化・システム化したものです。
これによって申請業務の効率化を図ることが出来ます。
用途によって呼び方は異なりますが、ワークフローシステムは「電子承認システム」や「電子決済システム」などと呼ばれ、申請・決済業務に特化したソリューションであると言えるでしょう。
ワークフローシステムのメリット
メリット①:ペーパーレス・脱ハンコ
ワークフローシステムによって、ペーパーレスや脱ハンコが可能になるといったメリットがあります。
これまで紙の書類を持って、多くの人のハンコをもらいに奔走していたものが、オンライン上で確認書類が確認する必要のある人を順番に移動し、確認後の書類がオンライン上でご自身のもとに返ってくるといったことが可能になります。
そのため、近年の多くの企業が取り組んでいるペーパーレスや脱ハンコを達成することが期待できるでしょう。
メリット②:柔軟なワークスタイルの実現
柔軟なワークスタイルの実現も、ワークフローシステムによるメリットの1つです。
これまでは書類を会社内で多くの人に見せて確認をもらっていたものが、オンライン上で解決するため柔軟なワークスタイルの実現が可能となります。
こちらのワークフローシステムのメリットによって、全社員のリモートワークなどが可能となるでしょう。
ワークフローシステムのデメリット
デメリット①:混乱が生じる可能性がある
混乱が生じるといった点が、ワークフローシステムのデメリットとして挙げられます。
こちらは、どのようなシステムを導入する際にも起こりうることではありますが、気を付けておく必要があります。
そのため、ワークフローシステムの導入前にあらかじめ体制を整えておく必要があるでしょう。
RPAとワークフローの違いは?
RPAとワークフローの違いとは具体的にどのようなものがあるのでしょうか。
以下から詳しく見ていきましょう。
違い①:自動化できる業務範囲
自動化できる業務範囲にはRPAとワークフローシステムで大きな違いが生じます。
RPAとは上記の通り、日美の雑務や定型化された業務を行ってくれるツール。
それに対し、ワークフローシステムとは主に申請作業などを自動化・デジタル化するツールです。
つまり、RPAは事務作業や管理業務などといった幅広い定型業務を行うことが可能であるのに対し、ワークフローシステムは申請業務に特化しているため自動化できる業務範囲は申請業務・プロセスのみといった違いがあります。
違い②:自動化を行う目的
自動化を行う目的もRPAとワークフローシステムでは異なります。
RPAでは定型業務の自動化を通して、業務の効率化・人的資本の有効活用・コスト削減・ミスの軽減など、日々の業務にかかわる点を改善する目的で導入することの多いツールです。
一方で、ワークフローシステムでは申請業務の自動化や効率化・デジタル化を進めることが出来るため、より経営の根幹にかかわった体制を改善する目的で導入するツールであると言えるでしょう。
違い③:ツールの機能
ツールに搭載されるシステムの機能はRPAとワークフローシステムで大きく異なります。
RPAでは、幅広い定型業務を自動で行うという特徴があるため、エクセルを開いて与えられた指示に従ってデータの整理を行ったり、その他のソフトを用いて見積書を作成するなどといった機能があります。
一方で、ワークフローシステムでは基本的に自動化する機能はありません。
この記事のまとめ
RPAとワークフローシステムの違い
- 自動化できる業務範囲
- 自動化を行う目的
- ツールの機能
RPAとワークフローシステムは、きちんと理解しておかないと区別のつきにくいツールです。
また、導入を検討する際にはどちらのツールが自社にとってより必要なのかなどを考えることをおすすめします。