このツールを導入することで、日々の雑務をRPAに任せることが出来、その結果会社や従業員の業務効率の上昇に期待が出来ます。
しかし、RPA導入にできるだけお金はかけたくないといった企業の方や、特に中小企業ではRPAにかけられる金銭的余裕がないといった方もいらっしゃるでしょう。
以下では、RPAになるべくコストをかけたくない企業の方やRPA導入の余裕がないという企業の方でもRPA導入を前向きに検討いただけるような3つのRPA導入に活用できる補助金について紹介していきます。
RPAツール導入に活用できる3つの補助金
RPA導入には、初期導入費用やライセンス料などの費用が発生するため、ある程度の予算が必要です。
そのせいで、RPAの導入を考えているにも関わらず導入を先延ばしにしている方も多いのではないでしょうか。
しかし、日本には以下のようなRPAの導入時に活用することのできる補助金が用意されています。
- IT導入補助金
- ものづくり補助金
- 小規模事業者持続化補助金
上記3つの補助金について詳しく見ていきましょう。
IT導入補助金
IT導入補助金の概要
IT導入補助金は、中小企業のITツール導入を支援するための補助金です。
一般社団法人サービスデザイン推進協議会が、独立行政法人中小企業基盤整備機構と経済省の指導の下、事務局を務めています。
IT導入補助金はITツール導入に特化した最も知られている補助金で、日本の中小企業の業務効率化を進めることで経営力の向上・強化を図ることを目的として給付されています。
IT導入補助金の対象者
まずは、補助対象の会社の特徴はどのようなものなのか見てみましょう。
- 2023年の4月以降にIT導入補助金の交付決定を受けていないこと。
- 今年度、IT導入補助金支援事業者として登録していないこと。
- 前期決算の売上が、申し込み予定の費用の5倍以上あること。
- 国が定める中小企業の条件に合致していること。
- 職種ごとに定められた従業員数を超えていないこと。
商業・サービス業 (宿泊業、娯楽業除く) | 5人以下 |
---|---|
宿泊業・娯楽業 | 20人以下 |
製造業その他 | 20人以下 |
IT導入補助金の申請区分と補助率・補助額
IT導入補助金の申請区分は以下の5つ。
- 通常枠
- インボイス枠 (インボイス対応類型)
- インボイス枠 (電子取引類型)
- セキュリティ対策推進枠
- 複数社連携IT導入枠
これらの中で、RPAツールの補助金申請時に活用できる枠は1.通常枠もしくは5.複数社連携IT導入枠です。
以下の表で、申請区分と補助率、補助額を確認しましょう。
1.通常枠
こちらの枠では、自社の課題にあったITツールの導入に補助金を出すことで、業務効率化・売上アップをサポート。
補助率 | 補助額 | |
---|---|---|
1/2以内 | 1プロセス以上 | 5万円~150万円未満 |
4プロセス以上 | 150万円~450万円未満 |
*「プロセス」とは、業務工程や業務種別のことを言います。導入予定のツールが会計システム専用であれば1プロセス、会計システムと人事システムに跨るようだと2プロセスとなります。
5.複数社連携IT導入枠
サプライチェーンや商業集積地の中小・小規模事業者が連携して行うITツールの導入に補助金を出すことで、生産性の向上をサポート。
補助対象経費 | 補助率 | 補助額 | |
---|---|---|---|
基盤導入経費 | ソフトウェア | 3/4以内、4/5以内 | 50万円以下*グループ構成員数 |
2/3以内 | 50万円超~350万円以下*グループ構成員数 | ||
ハードウェア | 1/2以内 | 10万円もしくは20万円*グループ構成員数 | |
消費動向等分析経費 | 2/3以内 | 50万円以下*グループ構成員数 | |
その他経費 | 2/3以内 | 200万円以下 |
*ソフトウェアの補助率は、中小企業の場合3/4以内、小規模事業者の場合4/5以内。(補助額50万円以下のケース)
ものづくり補助金
ものづくり補助金概要
「ものづくり補助金」、正式名称は「ものづくり・商業・サービス生産性向上促進補助金」です。
この補助金は、工場などの設備投資目的で使われることの多い補助金ですが、生産性を向上するためのITツールを対象にするためRPAツールにも活用することが出来ます。
ものづくり補助金の補助率・補助額
以下から、ものづくり補助金の補助率と補助額を確認していきましょう。
補助率 | 補助額 |
---|---|
1/2以内 (条件を満たせば2/3以内) | 1000万円以内 |
小規模事業者持続化補助金
小規模事業者持続化補助金の概要
小規模事業者持続化補助金は、従業員数が5人以下もしくは20人以下の小規模事業者のみが受けられる補助金です。
比較的安価なデスクトップ型RPAツールであれば、こちらの補助金を利用することが出来る可能性があります。
小規模事業者持続化補助金の対象者
小規模事業者持続化補助金の対象者を見ていきましょう。
商業・サービス業 (宿泊業、娯楽業除く) | 常時使用する従業員5人以下 |
---|---|
宿泊業・娯楽業 | 常時使用する従業員20人以下 |
製造業その他 | 常時使用する従業員20人以下 |
小規模事業者持続化補助金の補助率・補助額
小規模事業者持続化補助金の補助率と補助額を以下の表から確認していきましょう。
補助率 | 補助額 | |
---|---|---|
通常枠 | 2/3以内 | 50万円まで |
RPA補助金申請時の注意点
ここまで、RPA導入時の補助金の種類や申請区分、補助率・補助額などを解説してきました。
ここからは、補助金申請時の注意点について詳しく見ていきましょう。
- スケジュールと更新情報に注意
- RPA導入の目的を見失わないように注意
1.スケジュールと更新情報に注意
上記3つのRPAに活用できる補助金は、毎年申請区分や対象者の条件、補助率・補助額などが変更になり、更新されます。
また、同じ年でも逐一情報は更新。
そのため、申請スケジュールや更新される情報に注意し、補助金の申請をする際にミスがないようにきちんと情報を確認しましょう。
2.RPA導入の目的を見失わないように注意
よくあるRPAの補助金申請時にある事例は、RPA導入の目的を見失ってしまうという事例です。
RPA導入の目的を見失わないことに注意しなければなりません。
補助金申請には、時間や労力がかかります。
しかし、RPA導入の目的を忘れてしまうと、補助金を利用してRPAを導入したにも関わらず利用することなく月額料金のみを払い続けるということになってしまいます。
そのため、補助金申請時にもRPA導入の目的を常に明確にしておきましょう。
まとめ:導入後のことも考えよう
RPA導入時に活用することのできる補助金について、理解することが出来たでしょうか。
補助金の情報については、注意点のセクションにも書いてあるように日々更新される最新情報に十分注意する必要があります。
また、補助金の対象者についてや申請方法、補助金の対象となるRPAなどについて、自治体に確認をすることがミスを防ぐ最善の方法でしょう。
申請する補助金やその補助金を受け取ることのできる対象者などを確認できれば、次は実際に導入するRPAツールの選択に入りましょう。