業務の自動化ツールとしてRPAの市場規模が拡大しています。
2022年度末までに年商50億円以上の大企業・中企業で導入率50% (前年比12%増)、中小企業では28% (前年比18%増)と市場は着実に拡大傾向にあると言えるでしょう。
RPAを導入することで、通常のシステム導入では費用対効果が出なかった少量多種の業務効率化を期待できるため注目されています。
当記事ではそもそもRPAとは何か、RPAの種類から見た比較ポイントは何か、RPA選定のほかポイントとは何かについて解説していきます。
RPAツールとは何か
RPAツールを使うことで人が手作業で行っている作業を自動化できます。
RPAとは自動化技術の総称
RPAとはRobotic Process Automationの略称で、自動化技術の総称です。
元々製造現場ではロボットの業務活用が進んでいましたが、昨今ではデスクワークに対してもロボットの業務活用が進んでいます。
パソコン上の業務を自動化する意味で、RPAと混同されやすい手段として”マクロ”がありますが、マクロはパソコン上の作業を自動化することのできる技術一般を指します。
マクロというと、現状Excelマクロが広く利用されていることから、マクロ=Excelマクロと捉える方が多いようです。
このExcelマクロは利用時にVBAなどプログラミング言語の知見が必要、自動化範囲がオフィス製品に限られるなどが特徴として挙げられるでしょう。
一方でRPAは製品に関わらず、自動化できる点において異なると言えるでしょう。
定期的に発生し再現性のある業務に向いている
RPAは以下のような業務に向いているといわれています。
- 定期的に発生する業務
- 再現性がある業務
- 通常のシステム導入では費用対効果が見合わない業務
- 正確なオペレーションが必要な業務 など
このような特徴からRPAツールの導入に対して、金融業界などが先行して導入を進めています。
三井住友銀行や京葉銀行など、名だたる企業がRPAを利用している事例がありますので、ぜひ検討例を見てください。
RPAツールの種類別比較ポイント
RPAツールを比較する際、まず比較してもらいたいポイントがRPAツールの種類です。
RPAツールには以下3種類があり、それぞれ得意とする領域がことなりますので確認しておきましょう。
- 種類①:デスクトップ型
- 種類②:サーバー型
- 種類③:クラウド型
種類①:デスクトップ型
デスクトップ型はPCにソフトウェアをインストールし利用するタイプのRPAツールです。
サーバー型と比較してRPAツール利用開始までの準備が少なく、かつ、クラウド型よりもライセンス価格が低い点に特徴があります。
RPAツールを利用することで何ができるのか、試しに1部署で利用してみたいなど、スモールスタートをしたい方には重宝されるタイプのRPAツールともいえるでしょう。
また、デスクトップ型であれば外部環境から遮断した状態でシステムを利用できますので、セキュリティ上のリスクが以下で紹介するクラウド型やサーバー型と比較して低いという点も導入のしやすさに影響しています。
種類②:サーバー型
サーバー型とは自社サーバーにRPAのソフトウェアをインストールして利用するタイプのRPAツールです。
自社でサーバーを準備し、メンテナンスをしていく必要があるためコストが高額になることが多いと言えるでしょう。
一方でデスクトップ型やクラウド型と比較して、RPAツールの機能を最大限活用するためのスペックとストレージを確保できます。
既存のソフトウェアをサーバー上に統合させ、一度に100体以上のロボットを稼働するような場合であれば、サーバー型が適切でしょう。
加えて、サーバー型であれば、細かな要件を開発によって賄える点が魅力的です。
クラウド型などの場合、開発が一部制約されることもありますが、サーバー型であればほぼ制約はありません。
種類③:クラウド型
クラウド型はブラウザ上で操作できるRPAツールです。
事業者が提供するサーバー上で稼働するため、利用者自身で操作環境を準備する必要がない、初期費用・ランニングコストが低い点に魅力があります。
事業者が提供するクラウド上で稼働するため、最新バージョンへの自動アップデート、RPA活用のための関連情報の随時配信などがリアルタイムに受けられる点がメリットといえるでしょう。
その他導入時の比較ポイント
RPAツールの種類以外にも製品の選定ポイントはあり、製品選定をする際によく比較されるポイントは以下の通りです。
ポイント①:業務要件に対する機能の充実
自社が効率化したい業務に対して、必要な機能が搭載されているか確認が必要でしょう。
なぜなら、同じ種類のRPAツールであっても、会計ソフトを利用した業務に適している製品、求人情報の管理に適した製品など特色があるためです。
RPAツールを導入する際には対象となる業務は何か、対象となる業務を効率化するために必要な機能は何か、一度業務フロー整理などを通じて整理することをおすすめします。
機能を確認する際には合わせてコストの確認も必須となるでしょう。
搭載された機能に対して、コストが見合っているか確認しましょう。
業務要件が多ければそれだけ必要機能も増えるため、自社の予算と求める業務要件、利用ライセンス価格のバランスが重要と言えます。
ポイント②:導入支援サービスの内容
RPAツールを活用した業務効率化のカギは、導入時に運用に乗せられるかにかかっています。
可能であれば各ベンダーが提供する導入支援サービスなどを活用しましょう。
ただ、ベンダーによって導入支援サービスがそもそもない、導入支援サービスがあるものの、支援内容が限定的であるなど、違いがあります。
RPAツール導入時に導入支援サービスの有無、内容について確認することも大切となるでしょう。
ポイント③:エラーや不具合時のサポート体制
RPAツールを導入・活用している段階で、ほぼ間違いなく不明点やエラー、不具合に遭遇します。
このようなエラーなどの時にサポートをどの程度の品質で受けられるか確認が必要です。
無料版のRPAツールであればほぼサポートは期待できません。
一方、有料版のRPAツールであればサポート窓口の開設、エラー解決のための資料提供などサポートの提供を受けることができることもあります。
自社のみでのRPAツール導入・活用に不安がある場合は特にエラーや不具合時のサポート体制について確認をしておくことがおすすめであると言えるでしょう。
おすすめランキング3選
以上の比較ポイントを踏まえてRPAツールのおすすめランキング3選をご紹介します。
おすすめRPAツール一覧は以下の通りです。
ランキング | プラン |
---|---|
1位:MICHIRU RPA | 5万円/月 (シンプルプラン)、10万円/月 (アシストプラン) |
2位:WinActor | WinActor実行版ライセンス (272,800円/年) やWinActorフル機能版ライセンス (998,800円/年) |
3位:Uipath | 有償版 (52万円/年~) |
1位:MICHIRU RPA
MICHIRU RPAはデスクトップ型RPAツールです。
一般的なデスクトップ型RPAツールが月額12万円程度からなのに対して、MICHIRU RPAでは5万円 (シンプルプラン)から利用可能と業界最安な点が評価されています。
業界最安なコスト感である一方、高度な画像認識技術により以下のソフトウェアの自動化が可能であり、幅広い業務の効率化が期待できる点が魅力的です。
- salesforce
- kintone
- GoogleドキュメントなどGoogle製品
- マネーフォワード
- エクセルなどMicrosoftOffice製品
- Slack など
また、以下を実現可能な伴走型サポートを準備しているため、導入から活用までを安心して進められます。(アシストプラン)
- 業務の自動化可否判断やシナリオ作成のアドバイス
- 顧客自身でシナリオ作成ができるようにオンラインで使い方勉強会実施
- メールやチャットでのサポート窓口開設 など
RPAツールがどんなものなのか体験してみたいなどスモールスタートを希望する企業こそ、効率化範囲が広く、業界最安でサポート充実であるMICHIRU RPAがおすすめです。
2位:WinActor
WinActorはデスクトップ型RPAツールです。
サーバー型としてWinDirectorの利用もできます。
NTTグループでRPAツールの研究・利用を進め、技術とノウハウが詰まったツールであり、7,000社を超える企業に導入という人気サービス。
RPA製品は外資ベンダーが提供している場合が多い中で、WinActorは完全国産製品であるため、操作画面、マニュアル、サポートを完全日本語で利用ができます。
加えて、ローコード開発が可能であるため、プログラミング知識や複雑な言語知識が不要ですので、情報システム部が主導するRPAツールの導入・活用に最適な製品と言えるでしょう。
WinActorでは30日間の無料トライアルライセンスを用意しているため、WinActorで何ができるのかすべての機能が利用できる無料トライアルからぜひ検討ください。
自社の要件を満たしていれば、WinActor実行版ライセンス(272,800円/年)やWinActorフル機能版ライセンス(998,800円/年)を購入いただくとよいでしょう。
3位:Uipath
Uipathはデスクトップ型/サーバー型/クラウド型いずれでも利用可能なRPAツールです。
外資ベンダーが提供するグローバルRPAツールであり、世界75,000ユーザーが利用し高いシェアを保持しています。
日経コンピュータによる顧客満足度調査では3年連続1位、ITR Market ViewではRPA/OCR/BPM市場で4年連続1位を獲得。
評価に裏付けされる通り、RPAツールで求められる機能をある程度網羅し、かつ使いやすいUIである点が魅力と言えるでしょう。
また、セキュリティ面でも第三者機関からSOC2 type1、ISO27001およびVeracodeContinuousの認証を継続して取得しているため安心して利用できます。
Uipathは無料版と優良版があります。優良版は年間52万円(開発環境1台、実行環境1台の最小構成)から利用可能です。
利用企業の調査によれば、Uipathの利用企業の年間費用は年間数十万円から三千万円まで幅広く、Uipathを活用しようとすればするだけ費用がかかると考えた方がよいでしょう。
まとめ RPAツールを活用しよう
RPAツールの比較ポイントは複数ありますが、重要なポイントはRPAツールに求める業務要件を明確に定めることです。
RPAツールを利用すればあらゆる業務を簡単に自動化・効率化できますが、その分だけコストがかかってしまいます。
自社が求める要件を最小限にし、コストパフォーマンスを最大化する点が肝心であると言えるでしょう。