UiPath (ユーアイパス) とは、全世界で利用されているRPA (Robotic Process Automation) ツールのことです。
数ある業務自動化を進めるためのRPAツールの中でも、人気サービスの1つであると言えます。
この記事では、UiPathにおいてサービスとして提供されているRPAツールの種類と導入時のメリット、また気を付けるべき点についてわかりやすく解説していきます。
UiPathとは?
UiPath (ユーアイパス) とは、UiPathというアメリカ合衆国ニューヨーク州ニューヨークに本社を構えるグローバルソフトウェア会社が提供をしているRPAツールです。
UiPathでは、事務作業やブラウザからのデータ取得など様々なPCでの業務を複雑なプロセスを踏むことなく自動化することができ、ヒューマンエラーの減少や生産性の向上を叶えることができるでしょう。
また、UiPathは圧倒的な実績を誇っており、日本国内RPA市場の売上シェアにおいて*6年連続1位を獲得。
今後も日本はもちろんのこと、世界25拠点で売上とRPA市場でのシェアを伸ばしていくことが期待されています。
*2023年7月に株式会社アイ・ティ・アールが発行した市場調査レポート「ITR Market View:RPA/iPaaS/ワークフロー市場2023」の国内RPA市場の売上シェアより
UiPath製品の種類
UiPathにはたくさんのRPAツールが用意されており、業務自動化までのプロセスを「発見・開発・管理・実行・協働」という5つのフェーズに分け、各々のフェーズで多くのツールを提供しています。
5つのフェーズに分かれて提供されているため、初心者でも業務自動化までのプロセスをわかりやすく簡単に理解することができるでしょう。
現在UiPathでは、下記のような製品が提供されています。
発見 | 開発 | 管理 | 実行 | 共同 |
---|---|---|---|---|
Automation Hub | Studio | Orchestrator | Robots | Apps |
Task Capture | Studio X | AI Center | Assistant | |
Process Mining | Document Understanding | Data Service | Action Center | |
Task Mining | Insights |
これらの中で、代表的な3つの製品は以下の通りです。
- ワークフローの開発に用いる「Studio」
- プロセス実行に用いる「Robots」
- プロセス管理に用いる「Orchestrator」
studioとRobotsは、UiPathを使用し、業務自動化を進めていくうえで必須ともいえるツールです。
また、Orchestratorは大規模にRPAを用いる組織にうってつけであると言えるでしょう。
Orchestratorを使用して、RPAツールの管理をすることができるため初心者でも管理しやすいという点が大きなメリットとなり得ます。
以下では、UiPath導入の5大メリットについて解説していきます。
UiPath導入の5大メリット
UiPathの導入にはたくさんのメリットがありますが、ここでは5大メリットを解説していきます。
- 無料で始めることが可能
- 日本語に対応
- 便利なツールが充実
- 小規模から大規模まで対応
- 高度な知識が不要
1.無料で始めることが可能
UiPathは、無料で始めることができます。
この点が、UiPathの一番のメリットであると言えるのではないでしょうか。
UiPathでは、無料で使用できるプランが2点用意されています。
1つ目は、UiPath Automation Cloudの60日間限定のエンタープライズプラン。
こちらのプランは60日間ですが、かなり幅広い機能を使うことが可能です。
大規模な組織や会社に、こちらのプランはおすすめです。
2つ目は、UiPath Automation Cloudの無期限、無料プラン。
こちらのプランは1つ目と比べると、使用できる機能は狭まりますが無期限であるため長期で試すことが出来ます。
これらのプランが評価されていることで、UiPathが日本のRPA市場でのシェア1位を占めていると言っても過言ではないでしょう。
2.日本語に対応
UiPath2つ目のメリットとして、日本語に対応しているという点が挙げられます。
この点は、多くの日系企業にとって非常に大きな点ではないでしょうか。
UiPathのサービスすべてが日本語に対応していることで、言語の問題なくスムーズに業務自動化に向けてRPAの利用が期待できるでしょう。
3.便利なツールが充実
UiPathでは、便利かつ操作が簡単なツールはもちろんのこと、UiPathアカデミーと呼ばれるEラーニングや動画、参考書、UiPathメソドロジーという業務自動化に必要なタスクやドキュメントをテンプレートとして提供してくれるツール、また外部の研修やサポートを受けることも可能です。
こちらは、UiPathだけでなくRPAツールについても学ぶことが可能で、RPAツールの導入・運用が初めてという組織にも大きなメリットとなるでしょう。
困った際や、学習が必要になった際にすぐに対応することができるという点も非常に便利です。
4.幅広いニーズに対応
UiPathは非常に多くの種類のツールを提供しています。
そのため、あらゆる規模のニーズに応えることができ、汎用性が優れているRPAツールであると言えるでしょう。
先述のとおり、UiPathでは、業務自動化までのプロセスを「発見・開発・管理・実行・協働」という5つのフェーズに分け、各々のフェーズで多くのツールを提供しています。
そのため、大規模開発に向いているツールや小規模開発に向いているツールなどあらゆるものが網羅されており、UiPathはより多くの組織の業務自動化を手助けすることができると言えるでしょう。
5.高度な専門知識が不要
こちらは、専門的な知識を持った人材がいない、または知識を持った人材がRPAツールにまで手を掛けられるほどの余裕がないといった組織や会社などにとって、大きなメリットになるでしょう。
UiPathは高度かつ専門的な知識は不要で、感覚的な操作が可能といった点が特徴です。
例えば、開発ツールstudio では、studio とstudio X という2つの主要なツールが提供されていますが、どちらも複雑なC#やJavaなどの複雑なプログラミング言語を使わずに使用することができます。
また、テンプレートなども豊富なため、IT未経験の方でも扱いやすいRPAツールであるという点が大きなメリットとなるでしょう。
UiPath導入の注意点
一方で、UiPathの導入には注意点もあります。
注意点は、以下2点。
- 基礎的なプログラミング知識が必要
- 日本語が完璧ではない
1.基礎的なプログラミング知識が必要
UiPathの利用に高度な専門知識は必要ありませんが、提供されているツールによっては必要です。
そのため、使用したいRPAツールがどのようなものなのか、どのように動かすものなのか、どのような知識が必要なのかなど事前に確認することが大切となるでしょう。
また、先述のとおりUiPathは無料期間も用意されているため、その期間内に確認してみるというのも良いのではないでしょうか。
2.日本語が完璧ではない
UiPathは日本語対応のRPAツールではありますが、日本語に多少違和感を覚える可能性があります。
実際にUiPathのホームページを訪れても、自然な日本語ではない分が見受けられるでしょう。
しかし、この点においては少し違和感を感じる程度で、不具合が起こるわけではなくそこまで危惧するべき内容ではないのでしょうか。
また、日本にUiPath株式会社という日本支社があるため、この点は今後改善されていくことが期待されます。
料金プラン
UiPathは、フリー、プロ、エンタープライズと3つのプランに分かれています。
3つのプランによって料金は変わるうえ、その他のパッケージなどによって価格なども変わるため、詳しく知りたい場合は直接問い合わせる必要があるでしょう。
フリー (Free) | プロ (Pro) | エンタープライズ (Enterprise) |
---|---|---|
無料 | $420/月~ | 要問い合わせ |
利用をおすすめする組織
以下では、数あるRPAツールの中でもUiPathを特におすすめする組織の特徴を解説します。
- コストを抑えたい組織
- RPAツールを初めて使う組織
- Excel業務に利用したい組織
1.コストを抑えたい組織
UiPathは、多くのRPAツールを提供しているため必要なツールが入ったパッケージを選ぶことができる点で、コストを抑えたい組織に適していると言えます。
2.RPAツールを初めて使う組織
RPAツールの導入を初めて検討している組織にもUiPathは適していると言えます。
UiPathのメリットとしても紹介したように、UiPathは無料期間があり、日本語に対応、また多くのRPAツールやUiPathについて学ぶ機会を提供しているという点からRPAツールに関して詳しくなくてもスムーズに使い始めることができるでしょう。
3.Excel業務に利用したい組織
UiPathは、Excel業務の自動化と相性がよいことが特徴です。
Excelでの集計やExcelマクロのライティングなどをUiPathを使って自動化することで、Excel業務に要する時間を大幅に削減することができ、RPAツールの恩恵を大きく受けることができるでしょう。
まとめ
これまでUiPathの種類や導入のメリット、注意点を解説してきました。
この記事を通して、業務自動化のためのRPAツール、UiPathについての理解を深めていただけていれば幸いです。