RPA導入によってできることは?できないことや、活用事例も解説

RPAって何ができるの?できること・できないことを網羅的に解説!

金融業界を中心にRPAツールの導入が進んでいます。定型業務であれば、自動化可能、かつ、正確に作業ができるため、人手不足を解消するツールとしてDX推進の側面から期待されているのです。

一方、RPAツールを利用する際、「できることは何か?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。当記事では、RPAツールによってできること、できることの具体例、できないことの具体例をまとめてご紹介します。

目次

RPAツールによってできることは?

RPAによってできることはのイメージ

RPAツールは定型業務かつ意思決定を必要としない業務を自動化することができます。

また、一度、作業手順”シナリオ”を決めてしまえば、24時間365日稼働させることができますので、従業員が出社していない土日・祭日にまとめて稼働させることも可能です。

加えて、ロボットがシナリオにそって作業をしますので、業務上のミスもほぼありません。つまり、従業員を膨大な定型業務から解放し、かつ、業務の正確性向上が期待できるのがRPAツールであると理解するとよいでしょう。

RPAツールでできることの具体例

具体例のイメージ

RPAツールは定型業務、かつ、意思決定を必要としない業務であれば、自動化ができます。よくある利用例は以下の通りです。

  • できること①:交通費精算業務
  • できること②:入金消込業務
  • できること③:請求書の発行業務
  • できること④:勤怠管理業務
  • できること⑤:在庫管理業務
  • できること⑥:売上日報の作成業務
  • できること⑦:競合他社の価格調査業務
  • できること⑧:SNSの口コミ調査業務
  • できること⑨:新規顧客登録業務
  • できること⑩:メール配信業務

できること①:交通費精算業務

交通費精算業務では、経理担当者が従業員からの交通費申請に対して、適切なルートであるのか、適切な金額であるのか確認します。

経路ごとにWeb上で検証を進めるため、非常に工数がかかる場合が多いではないでしょうか。この点、RPAツールを導入することで例えば以下のようなフローを作成できることでしょう。

  1. 交通費の申請内容とWeb上の交通費と突合
  2. 交通経路や金額に問題がある場合、申請者にメール通知
  3. 問題がない場合支払処理を実施

ただし、当日の交通事情や営業活動によっては、必ずしも最安・最短経路を採択しているとは限りません。RPAツールはあくまで一次チェックとして活用し、懸念のある申請を洗い出すために利用するケースも多いようです。  

できること②:入金消込業務

入金仕込み業務では、相手方の入金情報と請求情報を突合し、確認ができた取引を消し込んでいきます。

入金消込業務を日次で実施する場合、毎日口座への入金情報を確認し、目視で請求情報と突合する必要があるため、取引先が増えるほど経理担当者の業務負荷は上昇していきます。

この点、RPAツールを導入すれば、取引銀行システムから入金情報をAPI経由で取得し、社内の会計システム上にある請求情報と突合する仕組みを作ることで、入金消込を自動化できます。

できること③:請求書の発行業務

請求書の発行業務では営業担当者が売上伝票を経理担当者へ提出し、経理担当者が販売管理システム上に転記作業をした後に請求書を発行する場合が多いようです。

この一連のプロセスは業務上で多数生じるものの、定型業務であるためRPAツールにより自動化できることでしょう。例えばRPAツール導入により以下のフローを実現できます。

  • 営業担当者が共有フォルダ上の特定フォルダに定型の売上伝票を格納する。
  • RPAツールが格納された売上伝票を販売管理システム上に転記する。
  • 販売管理システム上から請求書を発行し、営業担当者へ請求書発行の旨をメールで通知する。

上記のフローは請求書に限らず、他帳票でも応用可能ですので、自社の工数負荷を鑑みて応用を検討ください。

できること④:勤怠管理業務

勤怠管理業務では月次で人事担当者が従業員の勤務時間の集計、残業時間の確認などを実施する必要があります。

この一連のプロセスは従業員数が増えるほど工数がかかるものの、定型業務であるためRPAツール導入により自動化ができるでしょう。

勤務時間の集計などが自動化できれば、取得した勤務情報を元にして給与計算、振込の自動化までも視野にいれることで、できることが増えます。

RPAツール導入後により業務活用が進む企業の場合、給与明細書の作成、従業員の通知までを自動化するケースもあるようです。

できること⑤:在庫管理業務

できることの具体例イメージ

在庫管理業務では、販売機会の最大化や管理費削減のため、自社がかかえる在庫数を適時把握する必要があります。把握した在庫管理情報を営業担当者に連絡し、営業担当者は自社在庫を踏まえた上で営業活動をするのです。

この点、適時の営業担当者への在庫状況連絡をRPAツール導入により自動化できます。例えば、事前に定義した時刻に在庫数や今後の入荷予定を営業担当者に自動でメール通知することができるでしょう。

もし、営業活動上で必要な在庫がなければ、生産部門に生産指示を適時行うことで、販売機会の最大化が期待できます。

できること⑥:売上日報の作成業務

複数の店舗を管理する企業の経営管理業務では、日次で店舗ごとの売上日報をExcel(エクセル)上に作成し全店舗の収益把握する場合が多いようです。

とはいえ、デスクワークになれた店長ばかりではありませんので、売上日報の作成には時間と心的な負荷が大きくなり、かつ効率が悪い点に課題があります。

また、店舗数が増えるほど、経営管理担当者の業務負荷が増加する点が課題になるでしょう。

RPAツールを導入すれば、例えばPOSデータを元にExcel上で売上日報を自動作成できます。各店舗の売上日報の集計も同様にRPAツールで自動化できるでしょう。

できること⑦:競合他社の価格調査業務

事業企画業務では、自社製品と競合する製品の価格調査を定期的に実施します。Webサイト上で競合他社の価格調査をする場合が多いですが、頻度や競合製品が多くなると調査に工数がかかる点が課題です。

この点、RPAツールを導入することで調査業務の自動化ができることでしょう。例えば、競合製品の公式サイトやECサイト上の製品ページをRPAツールに登録しておき、Excel上に製品別に集計させるような例があります。

RPAツールを活用することで負荷少なく競合調査が可能になりますので、日次でデータを取得し、リアルタイムで事業戦略に生かすことができる点が最大のメリットです。

できること⑧:SNSの口コミ調査業務

マーケティング業務では、SNS上に投稿される自社製品への口コミを収集する業務があります。マーケティング担当者が手動で口コミ収集する場合、対象となるSNSの数や検索するキーワードの数によって大きな対応負荷になるでしょう。

この点、RPAツールを導入すれば対象のSNSやキーワードを事前に設定しておけば、自動でExcel上に口コミを集約していくことができます。

特にネガティブなキーワードについてはキーワード設定しておき、担当者に通知設定する場合も多いようです。

できること⑨:新規顧客登録業務

営業業務では、新規顧客を獲得した際に顧客情報を会計システムやCRM、名刺管理アプリケーションなど、複数のシステム上に登録する手間が生じます。

また、顧客情報登録に更新やミスがあった場合、すべてのシステムの修正が必要になるため、工数を要するでしょう。

この点、RPAツールを導入することで専用フォームに新規顧客の情報を登録すれば、各種システムに自動登録することができます。手動登録の手間を削減できるだけでなく、ミスがほぼなくなる点も大きなメリットです。

できること⑩:メール配信業務

採用業務では、会社説明会や応募者への面談日時リマインドなど、定型文を送付する定型業務が多数生じます。この点、RPAツールを導入すれば、あらかじめ定義した日時で定型文を対象者にミスなく送付できるでしょう。

また、セミナー実施後のアンケート収集メールの自動送付後、アンケート内容をRPAツールで集計し、採用担当者に通知するような使い方をする場合も多く、採用業務とRPAツール導入の親和性は特に高いようです。

できないことの具体例

できないことの具体例イメージ

RPAツール導入によりできることは多く、企業における定型業務の多くを自動化できることでしょう。一方で、一部の業務ではRPAツールによる自動化はできません。

RPAツールによりできないことも把握しておくことが重要でしょう。代表的なRPAツールによりできないことは以下の通りです。

  1. 帳票上の項目を自動で読み取る業務
  2. 判断分岐に”感覚”が混じる業務

できないこと①:帳票上の項目を自動で読み取る業務

RPAツールは定型文の文章を対象者に自動通知することはできても、文章の識別自体はできません。もし、文章を読み取り、内容を元に次のアクションを想定する場合にはOCRとの併用をご検討ください。

OCRを利用することで、文章のデータ化が可能です。併用するOCRの種類にもよりますが、以下のようにOCRの中には読み取った内容(データ)を元に、RPAツール上のアクションを変化させることができるものもあります。

  • ”取引先名”がA社であれば、α部署にメールを自動通知する。
  • ”取引先名”がB社であれば、α部署とβ部署の両方にメールを自動通知する。

OCRとRPAツールの併用は特に多い事例ですので、RPAツールによりできることの幅をふやすのであれば、ぜひOCRの活用をご検討ください。

できないこと②:判断分岐に”感覚”が混じる業務

RPAツールは事前に決められたことしかできません。つまり、人間による意思決定が業務フロー上で少しでも生じる場合には完全な自動化はできないと考えてください。

とはいえ、多くの業務フロー上の人間による意思決定も何か基準を元に判断をしている場合が多数です。

意思決定の基準を言語化、定量化することでRPAツール導入による自動化が可能である場合も多いですので、まずは業務フローの整備から始めるとよいでしょう。

まとめ まずは使ってみることがおすすめ

まとめのイメージ

ここまで紹介してきたようにRPAツールでできることは多数あります。

とはいえ、ここまで紹介してきた内容もできることの一部ですので、RPAツールでできることの特性を抑えたうえで自社のどの業務に活用できるか、検討の過程が重要でしょう。

RPAツールでできることの把握には、まず使ってみることが最も簡単で、近道な方法です。RPAツール導入を検討する場合には、まず無料トライアルをしてみる、安価なRPAを導入し、できることを体感することをおすすめします。

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