WiMAXと聞くとモバイルルーターがイメージされ、実は固定回線の代わりなると想像できない人も多いのではないでしょうか。
しかし現在はWiMAXのホームルーターの性能が向上していることもあり、WiMAXのホームルーターを固定回線代わりに利用する人も増えています。
しかし、これまで固定回線を利用し続けてきた人にとってはWiMAXの通信速度や料金が気になるのではないでしょうか。
今回はWiMAXが固定回線とどの面で上回り、または下回るのか、それに通信速度や利用料金も合わせて解説します。
ホームルーターとは
ホームルーターについてご存知の方は、読み飛ばしていただいても大丈夫です。
そもそもWiMAXはUQコミュニケーションズ社が提供する通信サービスのことです。
そしてルーターには2種類あり、持ち運びに便利なモバイルルーターと家で使うのに便利なホームルーターです。
持ち運び可能なモバイルルーターは、外出先でもインターネットを使うときに便利です。
パソコンが外出先でも使え、同時にスマホにつなげばスマホの通信量も気にせずに済みます。
一方のホームルーターは自宅でインターネットを使うときに便利です。
ではホームルーターは、自宅でインターネットを使うときにどう便利なのか。
具体的なWiMAXのメリットを見ていきましょう。
WiMAXのメリット
WiMAXのホームルーターを自宅で使うときのメリットを、固定回線と比較してみてみましょう。
ホームルータ- | 固定回線 | |
---|---|---|
利用場所 | 自宅や引っ越し先の場所 | 現在の自宅のみ |
契約~利用開始まで | 平均2~3日 | 平均2~3週間 |
工事の有無 | 無 | 有 |
配線 | 配線なし | LANケーブルなどが必要 |
表を見てわかる通り、ホームルーターの方が利便性という点で固定回線よりも優れています。
利用場所に関して、固定回線は住んでいる場所に一度回線を引く工事が必要になります。
しかしホームルーターは基本的にコンセントがあればどこでも使えます。
つまりWiMAXのホームルーターを持っていれば、引っ越ししても即日ネットが使えるようになるのです。
WiMAXは契約後、平均2~3日でルーターが自宅に届きます。
そこでルーターにSIMカードを入れて、コンセントにつなげば即日利用が可能です。
家電量販などの店頭で契約した場合は、その日にルーターを持ち帰ることができるため、契約した日からWi-Fiが自宅で使えます。
固定回線の場合は契約してから工事等の手順があるため、平均しても2~3週間は必要となります。
ネットであらゆることができる時代、2~3週間もの期間、ネットが使えないことは大きなネックです。
また必要な工事とはいえ、知らない人を家に入れることに抵抗を感じる人も少なくないでしょう。
そういった意味でもWiMAXにはメリットがあるのです。
最後に、固定回線の場合、LANケーブルや配線の都合で設置場所が限られますが、ホームルーターはコンセントがあればどこにでも置くことができます。
固定回線のメリット
ここまでWiMAXのホームルーターが固定回線より優れている面を挙げていきました。
では、あらゆる面でホームルーターが優れているのかといえば、そういう訳でもありません。
ホームルーター | 固定回線 | |
---|---|---|
通信速度 | 下り最大1Gbps | 下り最大2Gbps |
通信の安定性 | 基本的には安定しているが場所による | 高い |
他のサービスとの連携 | ネットのみ | 電話やテレビの利用も可 |
通信速度に関して「下り」というのは、使っているパソコンがデータを受信する速度のことを表します。
つまりインターネットで記事を読んだり、動画を観るとき、いかに速く読み込まれるのかです。
反対に「上り」とは、使っているパソコンがデータを発信する速度であり、メールや画像のアップの速さを指します。
通信速度に関しては、数値上は固定回線の方が勝っています。
ここで注意することが、あくまでも通信会社が発表している数値であり、実際の速度を表す実数値は、両者ともにそこまでの違いはありません。
またWiMAXのホームルーターの最大速度1Gbpsの速さで使えた場合、高画質・長時間の動画の読み込みも非常に速いです。
そのため一般的なインターネットの利用ならば、両者はほとんど違いがないといえるでしょう。
通信の安定性に関しては、固定回線に軍配が上がります。
固定回線の方が、エリアやどんな建物でも通信が安定しているといえるでしょう。
一方、WiMAXのホームルーターの場合は、都心や大都市圏では固定回線と変わらない安定性です。
しかし地方に行くと、通信の安定性が少し悪くなるといえるでしょう。
またコンクリートの建物で利用する場合、WiMAXの電波は通り辛いといわれています。
WiMAXはエリアや建物によって通信が不安定になりますが、その場合はLTE回線の利用という対処方もあります。
LTE回線は、プランに関わらず7GBまでですが、WiMAXの電波の入り辛い場所でも電波が入ります。
7GBという制限はありますが、WiMAXの通信の安定性が固定回線より劣ることは必ずしもありません。
WiMAXの通信速度や通信の安定性に関しては、実際に使ってみなければわからないものです。
そのため最近ではWiMAXの公式窓口やプロバイダでも1週間ほど無料でホームルーターを貸し出しています。
実際に自宅で使ってみて通信速度や通信の安定性を確かめれば、契約後に後悔することがありません。
最後にWiMAXにはなく、固定回線のみのメリットをご紹介します。
それは電話やテレビの固定回線も同時につなげることができる点です。
固定電話を設置する家は少なくなりましたが、テレビを観る家庭はいまだ多いです。
ネットもテレビもセットで契約できるというメリットが、固定回線にはあります。
WiMAXと固定回線なら料金はどちらが安い?
料金はWiMAXの方が安い
続いては、気になる料金の比較です。
先ほど、通信速度や通信の安定性に関して、一般的な利用の範囲内の場合は、両者ともにそこまでの違いはないと書きました。
通信サービスを考えるうえで、速度や安定性にそこまでの違いがないときに重視したいのが料金です。
結論からいうと、通信料金に関してはWiMAXの方が安いです。
WiMAXには月額の通信量が7GBまでという、いわゆるライトプランもあります。
しかし固定回線は基本的に通信量が無制限であるため、WiMAXも無制限の「ギガ放題プラン」で比較すると、固定回線の方が月額1,000円前後高くなります。
具体的には以下の月額料金が目安です。
- 固定回線:月額4,000円〜5,000円
- WiMAX:月額3,000円〜4,000円
固定回線の場合は、集合住宅に住んでいるか一戸建て住宅なのかで料金が異なります。
それに両者ともプロバイダによって料金が大きく変わることは認識しておきましょう。
初期費用や解約費は?
次に月額でかかる料金以外の部分で比較していきます。
初期費用は、WiMAXの場合は基本的に契約手数料のみとなります。
一方の固定回線は契約手数料に工事費用もかかります。
WiMAXの方が初期費用は安いですが、契約する窓口やプロバイダによって、契約手数料や工事費用の有無は変わってくるため、こちらも注意が必要です。
また契約期間中の解約費に関しては、両方とも数万円がかかります。
解約費を支払いたくない場合は、契約更新月をしっかりと把握して、そのタイミングで解約をしましょう。
また乗り換え先によっては、解約費を負担するプロバイダもあります。
乗り換える際は、解約費を負担してもらえるのかも確認しておきましょう。
WiMAXはキャッシュバックがお得!
WiMAXのプロバイダではキャッシュバック含めたキャンペーンが非常に充実しています。
WiMAXは契約窓口が「UQWiMAX公式ホームページ」「家電量販店」「プロバイダ」と3つあります。
なかでもキャッシュバックなども含めた料金を比較するとき「プロバイダ」が圧倒的に安いといえます。
現在はGMOとくとくBBのキャッシュバックが抜きにでており、最大31,100円のキャッシュバックを受けることができます。
WiMAXがおすすめの人は
一人暮らしをしている人
特に一人暮らしをしている人にはWiMAXのホームルーターがおすすめです。
一人暮らしの場合は他に利用する人もいないため、安定して速い速度でインターネットを楽しむことが可能です。
また料金が安くネットを利用できることや、固定回線に必要な工事もないため、一人暮らの人には特にWiMAXのホームルーターがおすすめとなります。
転勤が多い人
転勤が多い人にもWiMAXのホームルーターがおすすめです。
転勤の場合は、マンションなどの集合住宅に住むことが多いです。
しかし固定回線を利用する場合は、転勤の度に新たなプロバイダと契約しなければなりません。
その際には解約費も解約の手続きも必要になります。
WiMAXの場合はホームルーターを持っていき、コンセントに差すだけで良いのです。
更に固定回線と違い、即日でインターネットを利用できるため、家で仕事をするときも支障がありません。
企業の事業所や支部
WiMAXのホームルーターの最新機種Home L02は、最大40台接続することが可能です。
企業の事業所や支部であればWiMAXのホームルーターでも十分対応が可能になります。
またホームルーターはコンセントがあればどこでも据え置くことができるため、位置を気にせずに置くことが可能なのです。
WiMAXのおすすめのプロバイダとプラン
おすすめのプロバイダは「JPWiMAX」
画像引用元:https://jpwimax.jp/
WiMAXのホームルーターを選ぶとき、プロバイダやプランが複雑で、迷う人が非常に多いです。
今回はおすすめのプロバイダとプランをご紹介します。
その前に、そもそもなぜプロバイダなのか。
WiMAXの契約窓口はUQWiMAX公式HP・家電量販店・プロバイダの3種類がありますが、通信サービスに関してはどれも同じです。
そのため契約するなかで最も大切な要素は「料金」となります。
固定回線も、同じ回線を利用するときはサービスが同じであるため、料金で比較しましょう。
現在WiMAXで最も料金がお得なプロバイダはJP WiMAXです。
3年間の合計利用料金 | |
---|---|
JPWiMAX | 121,100円 |
GMOとくとくBB | 121,160円 |
Broad WiMAX | 125,215円 |
BIGLOBE WiMAX2+ | 133,280円 |
So-net | 145,656円 |
プロバイダの料金を選ぶときには月額料金ではなく、3年間の実質利用料金で比較しましょう。
月額料金が安いプロバイダを選択しても、キャッシュバックやその他の割引を計算すると割高だったということはよくあります。
おすすめのプランは「ギガ放題プラン」
プランに関しては、通信量が無制限のギガ放題プランがおすすめです。
特にホームルーターでは、自宅で映画や動画を観ることが想定されますので、7GBのプランではすぐに通信制限がかかります。
動画を観ることがなく、ネットサーフィンのみの方ならば7GBでも通信量は十分です。
いずれにせよ、契約後にも手数料がかからずにプランを変更できるため、迷ったときはまず通信量が無制限のプランがおすすめなのです。
一つ注意点は、無制限ではありますが、3日間で10GBを超えると翌日の18:00~2:00の間に通信制限がかかります。
これはネットワークの混雑を回避するためのものです。
ちなみに機種は最新機であるHome L02が、通信速度や接続台数の面からおすすめです。
【まとめ】固定回線一択の時代ではない
以前は固定回線の通信速度や通信の安定性が、WiMAXよりもはるかに勝っていたため、家でネットを使うのであれば固定回線一択でした。
しかし、WiMAXの通信速度や安定性などの性能が高まっています。
現在は、たいていの利用者の方は通信サービスの差をそこまで感じていないのです。
加えて、WiMAXの方が固定回線に比べて月額の料金が低かったり、利便性が非常に高いなどのメリットも目立ちます。
WiMAXと固定回線のどっちを選ぶのかは利用者の使い方次第でしょう。
また家でも外出先でもネットを利用したい人は、ホームルーターとモバイルルーターの併用がおすすめです。月額の利用料金でなく3年間の実質利用料金でしっかり比較しておけば、一番お得なプロバイダがわかり、そこで両方の契約ができます。
以前は固定回線しか使ってこなかった方も、引っ越しや転勤を機にホームルーターを選択肢に入れるべきでしょう。